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高性能・高品質レンズのカンタツ

業界トップレベルの技術力

マイクロレンズの技術

非球面レンズの生産

従来、レンズは球面レンズが一般的でしたが、球面だけの光学系では像のぼけや歪みを修正するため多くの枚数が必要でした。このぼけや歪みを収差と呼びますが、この収差を減らすために、非球面レンズが考え出されました。非球面レンズを導入することにより、レンズ枚数を減らすことができ、シャープな画像が得られ、歪みもなくすことができる上、小型化・低コスト化が可能になるのです。

しかし、非球面レンズのものづくりは1万分の1mmという高精度が要求される世界です。一般の加工機では、そのような超高精度を実現することは困難ですが、カンタツはそれを可能にする超精密非球面加工機等の最先端設備を豊富に保有し、それらを自在に使いこなす熟練の技術を培っています。また、加工品を高い精度で測定・評価することも非常に重要です。精密な測定によって得られた結果を、超精密加工機にフィードバックすることで、目的の精度を実現することが可能になります。

携帯電話やスマートフォンのカメラに使われる非球面レンズは、射出成形によって大量に生産されます。射出成形は、高温に溶かしたプラスチック材料を金型に流し込み、固めて形を作ります。しかし、高温状態で成形した材料は、温度が冷えると収縮するため、金型はあらかじめ材料の収縮率を見込んだ形状に設計する必要があります。成形後のレンズの形状を設計値と完全に一致させるために、金型の形状と成形後のレンズ形状とを精密に測定し、成形後の形状変化を正確に金型に反映することで、設計通りのレンズを大量生産することが可能になるのです。

レンズ精度の追求

昨今、携帯電話やスマートフォンの小型化・薄型化が進み、カメラのレンズは小径化・薄型化が求められています。それに加えてさらなる撮像性能の向上をも満足させることはますます困難な課題になっています。また、液晶ディスプレイの大型化や画像センサーの進化に伴うカメラの高画素化、さらにオートフォーカス化への適応等、レンズに対する性能的な要求は高まるばかりです。これらの要求に応えるために、レンズ枚数は増加する傾向にあり、それに伴って更なる精度向上が要求されています。

非球面レンズを多用し、枚数を増やすことで撮像性能の向上を図ることは理論的には可能です。しかし、実際に製造する場面では、複数のレンズを組合せる場合に、光学系の中心を結んだ線(光軸)が、レンズ間でズレる偏芯という現象が性能上の大きな問題になります。この問題を解決する手法として、複数のレンズの中心を微細に調整する『調芯』と呼ばれる技術が用いられます。カンタツでは、この作業を自動組み立てラインの中で瞬時に行います。

レンズの性能を高めるためには、更にMTF測定装置、偏芯測定装置など、超高精度な光学測定設備と、それらを駆使して得た膨大な測定データをもとにした性能改善のノウハウが不可欠です。

このように、マイクロレンズの量産には、超高精度の加工機と光学測定設備、測定情報の集積、更に最先端の自動組立装置の開発なくしては成り立ちません。

量産への道

カンタツは早くから高精密測定機と超精密加工機を導入し、金型加工技術と成形技術をより深化させることによって、高性能非球面レンズの生産に成功しました。また超高精度の光学設備の導入を図ると共に、多数のレンズ部品を正確に効率よく組み合わせる独自の生産技術を駆使して、超小型マイクロレンズ・ユニットの量産化を実現しました。

そして今まさに進化し続けるマイクロレンズ市場で、日々技術革新を続けながら更なる精度向上に取り組んでいます。